自己破産や債務整理などを経験し、正規の金融機関から借り入れできなくなった人が年々増えています。

そういった人たちが頼りがちなのが、個人融資やソフト闇金です。

近年、その中でも「給料合わせ」という言葉で利用者を集める闇金業者が目立つようになっています。

一見すると「収入日に返済すればよい」という柔軟なシステムのように聞こえますが

実態は高金利の違法貸付です。

この記事では、給料合わせの仕組みと危険性を詳しく解説します。

給料合わせとは?

給料合わせとは、借り入れた金額を「給料日(収入日)にまとめて返済する」仕組みです。

闇金業者は「返済サイクルが短くないから安心」と宣伝しますが

実際には借入額よりも大幅に高い返済額を要求してきます。

つまり「給料日に倍返し」という条件であり、年利換算すると1200%以上の

超高利になるケースも珍しくありません。

これは出資法の上限(年20%)をはるかに超えており、明確に違法です。

給与ファクタリングから広がった手口

2020年前後には「給与ファクタリング」が全国的に問題となりました。

給与債権の売買を装いながら、実態は給料の前借りに高額な手数料を上乗せする仕組みで

実質的には闇金と同じ構造でした。

大阪弁護士会も「給与ファクタリングはヤミ金融にあたる」と警告を発し

金融庁や政府広報オンラインも注意を呼びかけています。

🔗 大阪弁護士会|給与ファクタリングに要注意

💡 政府広報オンライン|闇金の新手口に注意

この「給与ファクタリング」が規制強化されると、闇金業者は「給料合わせ」という名称で同じスキームを使い始めたのです。

給料合わせの危険性

・年利1200%以上に相当する暴利
1か月で倍返しという条件は、計算すると年利1200%以上にあたります。

これは合法の貸付ではあり得ず、利用者を借金地獄へ突き落とします。

・執拗な取り立て
返済が遅れれば勤務先や家族にまで電話がかかり、嫌がらせや脅迫が横行します。

日本貸金業協会も、悪質業者による勤務先への連絡や個人情報の悪用について注意を促しています。

💡 日本貸金業協会|悪質業者に注意

・自転車操業のリスク
収入日に大きな返済を求められることで生活費が不足し

再び借入を繰り返す「自転車操業」に陥ります。

その結果、借金返済のためにさらに借金を重ね

悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

「甘い言葉」に注意

「在籍確認なし」「審査が甘い」「即日融資可能」

こうした言葉は、闇金業者がよく使う集客用のフレーズです。

「給料合わせ」という言葉もその一種であり

あたかも利用者に寄り添った制度のように見せていますが

実態は高金利の搾取にすぎません。

だまされないためのチェックポイント

「給料合わせ」「即日融資」「誰でもOK」と書かれていれば要注意!

・金融庁の登録業者かどうかを必ず確認する
💡 金融庁|登録貸金業者情報検索サービス

・口コミや評判は自作自演の可能性があるため鵜呑みにしない

・契約書に違法金利の記載がないか必ず確認する

困ったときの相談先

お金に困ったときは、まず正規の金融機関や公的支援を検討してください。

💡 生活福祉資金貸付制度(厚生労働省)

💡 法テラス|相談窓口

💡 政府広報オンライン

まとめ:給料合わせは借金地獄への入り口

給料合わせは、一見すると利用者にやさしい制度のように見えますが

実態は違法な高利貸しです。

給与ファクタリングと同じく違法とされるスキームであり

一度関われば生活や信用が破壊される危険性があります。

「甘い宣伝文句」に惑わされず、まずは正規の金融機関や公的支援を検討し

どうしても解決できない場合は弁護士や司法書士など

専門家に相談してください。