自己破産や債務整理などを経験し、正規の金融機関からの借り入れが難しい方にとって、「簡単に現金化できる」「正規事業者が運営している」といった言葉は非常に魅力的に映るものです。
キープミーは、ブランド品を対象としたリースバックをうたい、固定電話番号や運営情報を掲載することで、一見すると信頼できるサービスのように見えるかもしれません。

しかし取引の実態を詳しく見ていくと、その構造は高金利での貸し付けと極めて近いものであり、近年問題視されている先払い買取と同じ流れの中で生まれた、新たな手口である可能性が浮かび上がります。
本記事では、キープミーの仕組みや本来のリースバックとの違い、口コミから見える実態を整理し、利用を検討する際に知っておくべき注意点を解説します。

キープミーとはどのようなサービスなのか

キープミーは、ブランドバッグや高級腕時計などを対象にしたリースバック型の資金調達サービスです。
利用者は所有しているブランド品を一度売却し、その後一定期間利用料の支払いを継続しながら、期限内に代金を支払うことで買い戻せる仕組みになっています。

公式サイト上では会社情報や固定電話番号が明記されており、正規の事業者として運営されているように見える点が特徴です。
この見た目の安心感が、利用を後押しする要因になっていると考えられます。

本来のリースバックとの決定的な違い

本来のリースバックは、不動産などの高額資産を売却した後、同じ物件を賃貸として借り続ける仕組みです。
売却価格や賃料は市場相場を基準に算定され、契約内容も比較的長期かつ明確に定められます。

一方で、キープミーが主とするリースバックは、取引金額が小さく、返済期限が短い傾向があります。
そのため支払総額に占める実質的な手数料部分が大きくなりやすく、結果として高金利での借入と同等の負担を強いられるケースが少なくありません。

取引の実態は貸し付けと何が違うのか

キープミーの仕組みを冷静に整理すると、利用者は短期間でまとまった金額を支払わなければなりません。
支払額と受け取った金額の差を考えると、利息に相当する負担が非常に大きくなります。

近年、先払い買取業者が実質的に貸し付けであるとして摘発されてきた背景を考えると、こうしたリースバック型のスキームは、規制を回避するために形を変えただけとも考えられます。
形式が買取やリースであっても、実態が資金の貸し付けであれば、利用者にとってのリスクは変わりません。

なぜブランド品が対象になっているのか

キープミーが不動産ではなくブランド品を対象にしている理由は、少額取引を狙っている点にあると考えられます。
不動産リースバックは数百万円から数千万円規模になることが多い一方、ブランド品であれば数万円から十数万円程度の取引が中心です。

この金額帯は、急な出費に困っている個人が利用しやすく、返済計画を深く考えないまま申し込んでしまうリスクがあります。
少額であっても、条件次第では家計への影響は決して小さくありません。

口コミから見えるキープミーの評価

口コミサイトや掲示板では、キープミーについてさまざまな意見が投稿されています。
短期間で現金を受け取れた点を評価する声がある一方で、条件の厳しさや支払い負担の大きさを指摘する声も確認できます。

注意したいのは、良い内容の口コミほど業者側による自作自演である可能性を否定できない点です。
匿名性の高い掲示板では、すべての情報を鵜呑みにするのは危険であり、複数の情報源から総合的に判断する必要があります。

また、キープミーはお手軽リースバックと系列である可能性が指摘されており、過去に同様のサービスでトラブルを経験した方は特に注意してください。

利用によって生じるリスク

キープミーを利用する最大のリスクは、短期間での支払いが資金繰りを圧迫しやすい点です。
期限内に支払えたとしても、手元資金が大きく減り、再び同じようなサービスを利用せざるを得なくなる悪循環に陥る可能性があります。

支払いが滞った場合、連絡や督促がきてしまう可能性も否定できません。
正規の金融機関とは異なり、利用者を守る制度が十分に整っていない点は大きなリスクです。

お金に困ったときに考えるべき選択肢

どうしても資金が必要な状況であっても、まずは正規の金融機関から借入できないか、確認することが重要です。
だめだった場合でも、公的支援制度を利用できるケースがあります。

借金返済が原因で困っている場合、その借金自体を減額できないか、法テラスなどの専門家に相談することで解決の糸口が見つかることもあります。
一人で抱え込まず、相談という行動を取ることが、状況を悪化させないための第一歩です。

まとめ キープミーは慎重な判断が不可欠

キープミーは表面的には正規の事業者のように見えますが、取引の実態を見ると、高金利での貸し付けと変わらないリスクを抱えています。
リースバックという言葉だけで安心せず、その中身を理解したうえで判断することが欠かせません。

一時的な資金調達のために利用した結果、より深刻な問題を抱えてしまうケースも考えられます。
お金に困っているときほど冷静に選択肢を見直し、長期的に自分を守る行動を取ることが何より重要です。