急な出費や入用ができた際、その日に現金を手に入れることが出来る金策方法の一つとして後払いというものがあります。「限度額いっぱい借り入れしている」「信用情報に問題がある」「短期間での多重申し込み」などの理由で、消費者金融など正規の業者から借り入れすることが出来ない方が利用する取引方法です。後払いを利用したことがない方だけでなく、利用経験があっても仕組みを理解できていないという方も多いため、この記事で改めて解説します。
後払いとは
本来後払いとは名前のとおり、「商品を受け取り、後日代金を支払う」決済方法です。イメージしやすい仕組みとして、クレジット払いやローンでの支払いが後払いと似ています。しかしこの後払いを謳って、あたかも正規であるかのようにふるまう違法業者もいるため、注意が必要です。ここから解説していく後払いは、正規を装った違法業者との取引を指します。後払いは基本的に後払い現金化と先払い買取の2種類に分かれており、今営業している業者のほとんどは先払い買取業者です。
後払い現金化について
後払い現金化とは、業者が指定する商品を後払いで購入し、その商品を売却することでその日に現金を手に入れられる仕組みです。商品の売却先も業者から指定されます。近年では実際に物品を購入するのではなく情報商材を後払いで購入し、その商品のレビューを書くことによって宣伝報酬という形で現金を手に入れることが出来る仕組みに変わりました。利用者は商品の購入代金を期日内に支払うことで取引完了となります。
後払い現金化の実態と違法性
近年後払い現金化を謳い営業している業者は減ってきています。これは法律により後払い現金化の実態が貸し付けとみなされ、業者は貸金業登録をしたうえで法定金利を守って営業しなければならなくなったためです。この影響で後払い現金化業者は摘発を免れるため業態を変え、近年先払い買取業者として営業するようになりました。
先払い買取について
先払い買取とは先払い買取現金化とも呼ばれ、利用者からスマホやゲーム機などを買い取ることを装って業者が利用者に買取代金を支払う取引方法です。この取引の際、利用者は商品の画像で査定を依頼できるため手元に商品がなくても現金を手に入れることができます。後日利用者は査定に出した商品を発送しなければなりませんが、それができなかった場合キャンセル料や違約金を買取代金に上乗せして支払わなければなりません。先払い買取業者はこのキャンセル料を目的としています。
先払い買取の実態と違法性
先払い買取は、買取の実態がない場合経済的に貸し付けとみなされます。したがって貸金業登録を行う必要がありますが、多くの業者が無登録であり実態が闇金融となるのです。また、このシステムは非常に高額なキャンセル料が設定されており、貸し付けとみなされた場合このキャンセル料は法的に金利として扱われ、出資法違反となることもあります。金融庁のホームページでも注意喚起されているので気を付けましょう。
後払いを利用するリスク
実態が闇金融などのような危険な後払い業者の特徴として「商品売買を謳っているものの、契約の解除やキャンセルを前提としている」「キャンセル料や違約金または手数料のが非常に高額」といったものが挙げられます。こういった業者と取引を行った結果、後々の違約金などの支払いによりかえって状況が悪化し、多重債務に陥ってしまったというケースが後を絶ちません。また、問題なく取引完了させられたとしても、申し込みの際渡した個人情報を悪用されてしまったり、トラブルになるとその個人情報を晒されてしまったりする被害報告が多数あります。
後払いを利用する前に考えるべきこと
後払いの利用を検討する場合、まずは以下の点をしっかりと考慮してください。
- 他の金策手段を探す:正規の金融機関で借り入れできない場合、自治体や公的機関が提供する低金利の融資制度や支援の制度について調べましょう。
- 専門家に相談:借金に関する問題を抱えている場合、無料で相談できる弁護士や司法書士の事務所も多く存在します。専門家の助言を得ることで、状況を改善できることがあります。
危険な後払い業者を避ける方法
危険な後払い業者を避けるために、まずは信頼性のある情報源から正しい知識を手に入れることが重要です。また、急な入用が出来てしまっても焦らず慎重に金策方法を検討しましょう。詐欺師や違法業者からの勧誘に注意し、専門家に相談することで事態を好転させられることもあります。
まとめ:後払いについて理解し違法業者の利用は控えましょう
後払いは、急ぎでお金が必要な人にとって魅力的に見えるかもしれませんが、便利な反面その背後に多くのリスクが潜んでいます。実質的な金利に当たる違法な手数料や取り立てをはじめ、個人情報の漏洩など利用者に深刻な被害をもたらす危険性があるため、利用を避けるべきです。合法的かつ安全な方法で資金調達するためには、正規の金融機関を利用できない場合、公的機関の融資制度や支援制度について確認し、専門家に相談するようにしましょう。